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ソラノヲト

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 1【完全生産限定版】 [Blu-ray]テレビ東京アニプレックスが鳴り物入りで立ち上げた「アニメノチカラ」枠の第一弾として登場した作品ですが、うーん、結構普通に毎週見られましたし、作画や世界観の設定など力が入っているのは伝わってきたのだけれど、作品全体としてはちょっと物足りなかったなあ、というのが率直な感想です。自分でもどうしてそういう印象になってしまうのか、今一表現しづらいところもあるのですが、一番の原因は、最終回の展開があまりにも予定調和すぎたというか、ミエミエの王道展開すぎた、というところに尽きるのではないかと思います。魅力的な世界観が提示された序盤から、予想外にゆるい日常描写ばかりでちょっと辟易し始めたところで、最終話前11話での急展開には本当にわくわくしていたんですけどね。(作中のローマ語にリアルのドイツ語を使っていたのも、新鮮でしたね。アイーシャ役の宮原永海さんのオーストリア仕込み?のネイティブ発音(っぽい)ドイツ語もすばらしかったし、ユミナ役の福圓美里さんのまさに非ネイティブらしい発音も、やはり作品世界にぴったりでした。)シリーズ全般を通じていろいろと伏線が貼られていて、考えて構成されていることは理解できるのですが、その回収がストレートすぎて、かえって興をそいでしまった気がします。タケミカヅチ無双なところまではまだアリだったのですが、カナタがアメイジング・グレイスを吹き始めて、完全に萎えてしまいました。ベタすぎるし説得力あんまり無い・・・。ちょっと捻ってジャズアレンジでもしてくれれば、笑って受け入れられたのですが・・・(そういう伏線が張られていればなお良しです)。一応、1話で提示された伝説がどんでん返しに使われているようですが、所詮伝説なので、カナタたちの行動を縛るものでは無いんですよね。どうせなら完全に予言ということにしてしまうか、「〜をすると〜になる」っていう因果を含めた伝説にしておけば、カナタたちの行動と伝説(予言)との対応を、あれこれ考えたりして楽しめたのではないかと思います。
 キャラクター原案からの乖離が一部で批判を呼んだ「けいおん!」風の絵柄は別に嫌いではありませんが、ボクっ娘始めとしておっとりお姉さんなど隊員構成がテンプレ通りだったり、やる意味が今一理解できないおもらしエピで1話使っていたりしたことを振り返ってみますと、この枠が「アニメーションの作り手が持つ「熱」と「想い」を実現するステージ」ならば、昨今の業界の担い手には「視聴者を驚かせるような創造力」が無くなってしまったのかなあ?と、ちょっと不安な気分になってしまったりもします。なんだか受けそうな要素を寄せ集めただけだったような・・・。(ちなみに私個人としては、戸松遥さんのEDは元気があって好きです。)
 せっかく構築した世界観がもったいないので、2期とは言いませんが、むしろこの世界に関する別の作品をもっと見てみたい、と強く思います。