B型H系

極私的No.1がいちばんうしろの大魔王ならば、客観的な今期のNo.1は、こちらの作品とWORKING!!で甲乙つけがたいところです（デュラララ！も面白いんですけど、こちらはさほど思い入れが無いもので・・・）。作画、演出、声優、いずれも終始安定していて、毎週安心して楽しむことが出来ました。「H友１００人を目指す〜」うんぬんのあらすじからは想像もつかない、すばらしい純情ラブコメでしたね。ほとんど期待せずに見始めたのものの、本当に良い意味で裏切られました。ただ題材的には、現役中高生/チェリーくんにはちょっと生々しすぎて、どちらかといえばずっと前に既に卒業済みの、「あははそうだった、そうだった」と笑える層が一番楽しめる作品でしたね。写真部の小須田がカメラを構えるシーンが多く登場した本編中はもちろんのこと、OP、EDの演出でもかなりカメラと写真が強調されていたのは、それなりに高い年齢層の視聴者をターゲットに、ノスタルジックな雰囲気を高めようという意図があったのではないかと想像します。OPから番組提供ナレーション、EDまでを独り占めし、かつ完璧にこなした主人公山田役の田村ゆかりと、絶妙のツッコミで代弁者として常にしっかりと視聴者の気持ちを引き受けてくれたF下（竹下）役の堀江由衣のコンビも、やはりそんな世代の方々。金城役の小林ゆうは一部で批判もあったようですが、おバカなお嬢様役を上品かつ上手に表現していたと思いますよ。
　小気味よいテンポで進められるストーリーは、４コマ原作らしく密度も平均以上。アイキャッチでようやく「まだ半分か」と気付くこの感触は、個人的にはおそらく瀬戸の花嫁以来ではないかと思います。8月のBD/DVDの発売まで間があるのがちょっと残念ですが（7月の激戦を避けたのでしょうか？）、やはり全巻揃えてしまいたくなる作品でした。食わず嫌いしている方がいらっしゃいましたら、騙されたと思って是非チャレンジしてみて下さい。
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