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劇場版 こわれかけのオルゴール

劇場版 こわれかけのオルゴール [Blu-ray]ペアレンツと呼ばれるアンドロイドが開発され、家電として当たり前の存在となった時代。ある夏のどしゃ降りの日、ケイイチロウは不法投棄されていた一体のペアレンツを拾う。生きる意味を失った青年と、ぽんこつアンドロイドの奇妙な同居生活。明るく健気なふらわーに少しずつ心を癒されていくケイイチロウだったが、夏も終わりに近づいてきたある日、突然ふらわーの体に異変が起きる。ある夏の思い出を描いた切なく温かいハートフルストーリー(Amazonの作品紹介より)。
 最近CMがよく流れていたので、興味があった作品。ロリ系ど真ん中なCM中のふらわー(CV:浅野真澄)の作画とセリフの印象から、「主役に自分の名前つけるなんて、川口監督どんだけ?」などと思っていたのですが、見てみたらイカ娘からギャグ成分を取り去った「文芸版イカ娘」とも言える作品でした。というか、むしろ比べるべきはイヴの時間(←かなり大好きな作品です。これも機会があれば紹介したいな)ですかね?制作時期がちょうど重なっていそうですが、その制作体制や作品のテーマなど、類似点や相違点がいろいろ興味深いところです。
 30分弱の本編はコンパクトによくまとまっていて、これだけの時間でふらわーの健気さをこれでもかと印象づけつつ、ほろ苦いエンディングに収斂させる腕前はなかなかのもの。こういう風にできるんだったら、にゃんこいももうちょっとやりようがあったのではないだろうか...というのは蛇足ですね。
 劇場版で追加された新作エクストラ・エピソードは、ふらわー二度目のおつかいが描かれます。本編でもちらりと映っていたアイリス(CV:中尾衣里)とイチマル(CV:井口裕香)の新たなペアレンツが登場し、繰り広げられるペアレンツ版のきゃっきゃうふふ(アイリスは新型っぽいですが、イチマルはフラワーモデルと同期というから結構旧型ですよね。八百屋にきたばかりと言っていましたが、中古なのかな?)。エピソードを増やしてテレビシリーズ化しやすい方向に舵を切ったようにも受け取れ、どことなく今後の展開まで睨んだ商業的な思惑が付け加わった感じですね。もちろん劇場公開された時点で、既に同人という枠組みを離れて一つの商業作品になっているのですから、当然の動きなのですが。それにしても、30分弱の短編作品だからこそ、「切ない話だなあ...」ですむものの、例えば1クール放映された後でこの結末がきたら、最終回後のダメージはかなり大きそう。POP氏自ら作画のコミック化も決定したようですし、公式コスプレイヤーを募っていたりと、この作品周辺の今後の展開もちょっと楽しみです。
↓ネット上ではまだ一昨年のオリジナル版発売時や劇場版の完成披露試写会での模様などが残っています。主人公命名の経緯などの裏話も披露されていますよ。
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