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侵略!イカ娘

侵略!イカ娘1【初回限定特典(1分の1スケール触手切り落とし&缶バッジ)付き】 [Blu-ray]海洋汚染を続けてきた人類を征服するために深海から地上にやってきたイカ娘。しかし、最初の侵略拠点として目をつけた“海の家れもん”を壊してしまい、修理代を稼ぐ為に働かされるはめに。れもんを切り盛りしている相沢姉妹すら制圧できないイカ娘が、人類を征服する日は来るのだろうか…湘南海岸を舞台にした、ず~っと真夏の侵略コメディが侵略開始でゲソ!(Amazonの作品紹介より)
 ざくろに引き続いて放送されていた、もう一つの月曜日の楽しみがこの作品でした。いやあ、悪人が一人もいない、心を完全解放して鑑賞できるすばらしい作品でした。電波OPのつかみも完璧(ちょうど冬コミやってますね)。でもやっぱり一番の見所は、放送前から各所でコピペされていた、
「この作品おもしろい?」
「イカちゃんかわいい。」
のやりとりが最も端的にあらわしていますね。水島努監督のインタビュー発言にもあったように、まさに「NHKのゴールデンタイムでもOKなアニメーション」に仕上がっていると思いますが、かといって退屈なことは全くなく、元気にかわいらしく動きまくるイカ娘(CV:金元寿子)と、くるくるかわるその愛らしい表情を愛でているだけで、あっという間に30分が過ぎてしまいます(本当によく動くので、未見の方は下に貼ったニコ動1話公式配信で確かめてみて下さい)。作画の乱れもシリーズ通してほぼ皆無。もちろんストーリー的には今一つオチてない不完全燃焼な気分も何度か味わいましたが、毎週3話構成で綴られる物語のテンポは非常に小気味良いものでした。その中でも個人的に一番好きなエピソードは、初めて傘を手にしたイカ娘を描いた第8話の「ささなイカ?」。雨樋から流れ落ちる水を傘で受けたり、さらに傘を回して水滴を飛ばしたりと、小学生時代に似たようなことやったなあ、などと思い出してみたり。また傘袋やジャンプ傘、折りたたみ傘に驚く様は、幼稚園生(?)のほほえましい様子を見ているようで、このエピソードだけはどことなくジブリ映画の香りを感じてしまいました。
 地上の様々なものごとに興味津々なイカ娘は随所で描写されていましたが、このエピソードを見てから特に強く思うになったのは、イカ娘の「かわいさ」は一般の萌えアニメと少し違って、どちらかと言えば幼女の純真無垢さを表しているのではないか、ということです。イカ娘の全身白を基調にした服装も、そのあたりをかなり強調していますね。
「イカ姉ちゃんはもっと元気で威張ってて、でも失敗ばっかで、でもめげなくて...」
最終回にたけるが泣きながら語る上のセリフが、イカ娘の魅力をうまくまとめていると思いますが、付け加えると
・天真爛漫な笑顔
・文句をいいながらも浜のゴミ拾いや店の手伝いにしっかり取り組む現実にはあり得ないほどの素直さ
なんかも挙げられますかね。たける(CV:大谷美貴)&友人ペアと砂遊びでむきになって張り合っている様子なども併せて、小学校低学年くらいまでの(理想的な)幼女属性がいくつも付与されている感じです。これが普通の人間ですと、池沼キャラ風になってしまってどうしてもあざとさが出てしまいますが、陸に上がったばかりの人外に設定することで巧みに回避しています(海から来た純粋キャラということで、近いところではポニョ(崖の上のポニョ)や瀬戸燦(瀬戸の花嫁)が連想されるわけですが、イカ娘の設定も昔話の時代からある王道設定のバリエーションの一つととらえることもできそうですね)。
 同じチャンピオン連載のアニメ化ということで何かと比較されがちなイカ娘とみつどもえですが、このあたりの取扱はとても対照的。イカ娘とは逆に、子供の中に既に育っているある意味汚い大人の部分に焦点があてられているみつどもえと比べてみると、この作品はとことん健康的で、いやらしさの欠片もありません。という訳で、誰もが萌えの対象としてイカ娘を「かわいい」と感じていたとしても、それなりの年齢以上の大部分の視聴者にとっては、イカ娘は恋愛だとか性的な対象ではなく、むしろ幼い我が子に向ける愛情に近いものを感じているのではないかと想像しているのですが、実際のところはどうでしょう(まあ、薄い本を書いたり読んだりしたりしている人たちは除外して...)?水島監督もこの作品では、完全にイカ娘を自分の娘に見立ててキャラクター造形をしているのではないかな、などと邪推していたりもします。もちろん監督の家族構成は全く知りませんが。ところで水島監督は、作品で尺稼ぎともつかない微妙なタメを時々効果的に使ってきますね。イカ娘で言えば第5話「宇宙人じゃなイカ?」あたり。たしかケメコデラックス!でも印象に残るカットがあったなあ、と久しぶりにを見直していたら、早ちゃんのせいで釘宮病が再発してしまいした。あちらもまだ紹介していなかったので、時間をみて記事を書いてみようかと思います。
 いつしか家族として自然にイカ娘を受け入れている相沢家の面々(栄子(CV:藤村歩)、千鶴(CV:田中理恵)、たける)は誰もがやさしく、イカ娘への愛にあふれていますし、イカちゃんLoveが度を過ぎてしまっている我らが代表者早苗(CV:伊藤かな恵)他の登場人物も、好感が持てるキャラばかりで安心できます(研究所の連中はそれでもちょっとウザイです)。金元さんの演技も序盤は少し固い気がしましたが、1クール視聴した今では、もはや他の声のイカ娘など想像もつきません。
 とにかもかくにもイカちゃん二期を早く見たい気持ちは、決して早苗に負けません。もちろん絶賛BDマラソン中でゲソ!君も侵略しなイカ?