なんでもリスト

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おとめ妖怪ざくろ

初戀幻灯機時は文明開化、人間と妖人が共存する世界――改暦をした文明開化の時代。妖人(=妖怪)が関わる不可思議な事件を解決するために設立された政府組織「妖人省」、そこは妖人側の代表者と人間側の代表者とで組織されていた。「妖人省」に召集されたのは、人と妖人の血をひく「半妖」の西王母桃(ざくろ)・薄蛍(すすきほたる)・鬼灯(ほおずき)・雪洞(ぼんぼり)と、陸軍少尉の総角(あげまき)・利剱(りけん)・丸竜(がんりゅう)の7人。奔走する半妖の少女たちと、陸軍少尉たちがコンビを組んで、妖怪退治の任務につく!(Amazonの作品紹介より)
 今期の少女マンガ枠(連載されている雑誌は特に少女マンガ専門ではありませんが・・・)は、個人的には今期1、2を争う毎週楽しみだった作品でして、最終回まで含めてシリーズ全体を評価すると、今期No.1はたぶんこの作品です。
 放映開始当初は「あっぱれあっぱれあっぱれな〜」の歌(総角が歌ったときには笑いました)の印象が強烈すぎて、それだけが目立ちすぎていた感もありますが(キザな語り入りのざくろ/総角VerのEDもうけました)、個性豊かな登場人物達のすばらしい造形と、非常によく練られたストーリーテリングに、すぐに物語のほうにも引き込まれてしまいました。快活なざくろ(CV:中原麻衣)、清楚な薄蛍(CV:花澤香菜)、妖艶な鬼灯(CV:堀江由衣)、雪洞(CV:豊崎愛生)の双子姉妹(外見では見分けがつかなくてもダメ絶対音感があれば容易に識別できましたね)の半妖乙女組に対して、ヘタレの総角(CV:櫻井孝宏)、怜悧な利剱(CV:日野聡)、男の子そのものの丸竜(CV:梶裕貴)からなる軍人トリオと、妖人省の主要7人いずれも見事にキャラが立っています。それでいながら、鼻につくところが全くなく、また行動の一つ一つが非常に納得のいくものに仕上がっていて、安心して感情移入することが出来ました。明治維新からほどなくという設定の風俗描写も、人間と妖人が共存する不思議な作品世界へと視聴者を引き込むためにうまく機能したようです。惜しむらくは現代風のカタカナ語(たとえばチケットとか)が結構目立ってしまったこと。これらをもう少し避けて、せめて「引換券」みたいに言い換えていれば、もうちょっと風情が出たかも。さらに欲を言えば、他の2カップル成立までの経緯も、もうちょっと尺をとって丁寧に書いて欲しかった気もします。
 それにつけても最終回は見事でした。呪縛(?)から解放された瞬間のざくろの艶めかしい愛らしさ(なんか変な表現ですが)といったら、あのカットの作画スタッフはGJすぎます!物語上の重要なオチの一つが京極夏彦だったのはご愛敬。見る方がにやにやしっぱなしの告白シーンも、シリーズを見続けてざくろと総角の恋模様にやきもきしてきた視聴者にとって、最後にとっておきのご褒美でした。自分を卑下してざくろに密かにプレッシャーをかけるイケメン総角は、ブラフとしてやっているのではなく、素で自分をそう思っているところはまさに嫌みの欠片もありません。ざくろの方は言わずもがな。ここ一番の最高のデレを見せてくれました。耳を思わず隠してしまうざくろの心情表現も、大げさにならずにすんなりこなす中原さんの演技も、どちらもすばらしかった。作中総角は何度も「守ってもらってばかりで、守ることができない」ことを悔やんでいるセリフを発しています。でもざくろが総角を守る立場に立つのは妖人との闘いの場だけであって、むしろこれからずっと総角がざくろを守らなければならないのは、そしておそらく立派に守ることができるのは、半妖に対する人間社会からの偏見なんじゃないかな、などということを、ふと耳を押さえたざくろと、総角の父親について語る二人を見て思いました。
 最後の最後もやっぱり完璧でした。みんなにいじられる二人を見て、またにやにやさせられてしまう私たち。誰もが見たかったCパートで〆てくれる作品は、意外と少ないものです。
 思い返せば、ざくろ→イカ娘のコンボで楽しめた月曜日(首都圏)は、秋クールの一週間で一番楽しみな曜日でした。これだけ楽しませてもらったからにはお布施したい気持ちは山々なのですが、いかんせんDVDしかリリースされないという仕打ち。BD-BOX 出して下さいよ!必ず買いますから!
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