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ショック

大密室昨日のお昼にYahoo!ニュースで北森鴻氏の急な訃報を知って大ショックでした。初めて氏の作品を知ったのは、密室物ばかりを集めたアンソロジーの大密室(新潮文庫)。民俗学というユニークな題材を扱った看板シリーズの一つである蓮丈那智シリーズから、私は傑作だと思う不帰屋(かえらずのや)が収録されていたわけですが(凶笑面―蓮丈那智フィールドファイル〈1〉にも収録されています)、もともと歴史がらみのもろもろに興味があったので、一気に気になる存在になり、それ以来ずっとフォローしてきたのです。思えばこれほどはまった作家の中で、もう他の作品が読めないんだ、という喪失感を覚えたのは、北森氏の他には隆慶一郎氏くらい。でも彼の場合は、私がはまった時にはすでに他界されていました。なので、好きな作家の訃報にリアルタイムに接するのは全く初めての経験なんですよ。本当に悲しいものですね。池波正太郎を思わせる美食描写に影響されて、タマネギたっぷりのカレーライスを作ったり、タンカレーのジンにノイリープラットのヴェルモットまで買ったりしている内にカクテル作りにはまっちゃったりと、私が作品から受けた影響ははかりしれません。デビュー前の暮らしぶりを書かれたパンドラ'S ボックス (光文社文庫)を読んだ印象では、その当時からの生活で体を壊されていたのかなあ、などと思ったりもするのですが・・・。「ご冥福をお祈りします」というつきなみな言葉ではすませたくはないです・・・。